『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』アニメ版最終回&原作最終巻のラストの違いをもとにちょっと「真面目に」考察してみた!
「おじさん、泊めてよ☆」
ニコ動の生放送は一週間遅れなのでようやく観れマシたよ、
アニメ版『ひげひろ』最終回!ああ、もうホントにラストが
すっごく良かった! この心がズキズキ痛む物語を追ってきた
すべての人が笑顔になれるような、最高の大団円だったよ!
うう、沙優ちゃん、良かったね、良かったね……(;´д⊂)
でもって、その勢いで原作最終巻も一気読みしたのデスが、
こちらはこちらでもちろんすごく良かったデスし、色々と
補完できたのデスが、同時に一つどうしても気になったのが
ラストのテイストがびみょーに違うことなんデスよね。
※注:ここからはラストシーンのネタバレを含みますので注意!
簡単に言えば、アニメは明らかに二人はこれで結ばれたと
確信させるようなハッピーエンド。ていうかこの後もう
思い出の部屋にお泊まりしてむちゃくちゃセッ……
不可避な勢いなワケデスよw2年も溜めてたわけだし!
気を利かせてあさみもアパートにはいないしさ!(笑)
(原作も挿絵ではあさみは外にいるっぽいけど、ただ吉田は
あさみも同じ部屋にいるのを前提にしてるのが違うトコ)
しかしこの子吉田の部屋の合鍵持ってるのかよ(苦笑)
でも原作はびみょーにニュアンスが違っていて、まだまだ
吉田は後藤さんとの恋人未満な関係が継続しているし、
アニメではなんか断り入れてるっぽい描写だケド
(もしくは「ヤらせてください!」だったりしてw)
沙優との再会に感動はしつつもだから即恋愛関係になると
言う感じは正直あまり無く、どっちかというと再び二人が
巡り会えた--ということの方に力点が置かれてる感じ。
ここから新たな二人の物語が始まる!『ひげひろ』第二部
『ひげを剃る。そして女子大生が押しかける。』を
お楽しみに!って言う感じだなぁ。いや読みたいケドね!
これでようやくハーレムラブコメが始まるって感じだぜ!w
でもじゃあ何でこんなテイストの違いが生まれたんだろうと
考えてみたときにその方が一般ウケするとかは置いといて、
一つ重要なポイントに、アニメと小説の表現方法としての
性質の違いが、この作品の場合無視できなかったんじゃ
ないかと考えてみたのデス。端的に言えば、
小説の一人称はウソをつけるということデスよ。
え?どういうこと?と思われるかもデスが、簡単に言えば
吉田視点の一人称が基本の原作『ひげひろ』において
吉田が自分の気持ちについて語っていることは
真実とは限らないってことなのデス。
この物語において、吉田は一貫して沙優に対して持つ感情は
恋愛ではない。沙優はあくまで庇護すべき「子ども」であり
そうした対象(まして性欲の対象)には見ることができない
と明言していマス。「ガキには興味は無い」とも度々。
まぁそこは「据え膳を食わない同居ラブコメ」である
『ひげひろ』を成立させるためには不可欠な要素なのデスが、
(あとさすがに26歳サラリーマンが17歳の女子高生に
恋愛感情を…というのはマズいっちゃマズいんだろうなぁと)
更にそうでなくても吉田というキャラが極めて「独善的」で、
相手の気持ちより自分がどうするべきかを優先する男なため、
「自分は沙優に恋愛感情は持てない。いや持ってはいけない」
と思い込もうとしているように感じられるんデスよね。
もしくは「こんな子ども相手に持つはずがない」でもいい。
だから沙優から「何でそんなに守ってくれようとするの」と
聞かれても「俺にも分からねぇんだよ」としか答えられない。
一颯から「どうしてそこまで沙優に優しいのでしょうか?」
と聞かれた時は、考えに考えて「可愛かったから」という
素直すぎる結論にようやく気付いたりもするわけデス。
つまり吉田の述懐なんてまったく当てにならないのデスよ。
こいつは自分の本当の気持ちは見えないフリをして、
頭で考えた建前ばっかをいつも述べているわけですから。
善行を成そうとしつつモラルは破綻してるのもそのせいだし、
そしてそんな人間だから、同時に他人の気持ちに関しても
絶望的に鈍感(というか関心が無い)わけで……
正直言えば吉田のこういう所はボクもあまり好きじゃ無くて、
(作者のしめさば先生も「吉田嫌い」って公言してるしなw)
例えば例の最後の夜に恐らくは思い詰めた末に勇気を出して
抱かれにきた沙優の気持ちを全く理解できなかったり、
※ちょっと話がそれマスが、ここでの沙優の行動について。
この沙優の行動を批判する人もいるとは思うのデスが、
彼女はそもそも非処女なわけだし、だから最後に一度でも
大好きな人に抱かれて忘れられない思い出にしたいと
願っても別に不思議じゃない心理だと思うよ。
嫌だった援交の記憶を上書きして欲しいの……
それに1巻最初では吉田に「俺とヤリたいのか?」と聞かれて、
「いや、別にそういうわけじゃないけど」と答えるように、
沙優は経験こそは豊富でも今までヤりたくてヤったことは
多分一度も無いんデスよね。1巻終盤で吉田に「抱いてよ」と
迫るのもあくまで捨てられたくないという不安からだし。
基本、それまでの沙優のセックスは泊めてもらうための
代償……と言うより、ぶっちゃけ自傷行為デスからね。
別に性の悦びなんて感じて無いし。
そう考えれば、そんな沙優が初めて自分から抱かれたいと
思ったというのは、彼女の成長の証なんだと思いマスけどね。
吉田には全く理解してもらえませんデシたが!(苦笑)
そこまでは沙優も勇気が出なかったんだと思うけど、
(抱かれるつもりで夜這いにきただけでもドキドキのはず)
これが「抱いて欲しい」という直球なお願いだったら
違ったかも……ってまぁ吉田じゃムリか(苦笑)
……で、本題に戻るのデスが、
それなら!ともっと勇気をふりしぼっての告白に対しても
「正気かよ」という第一声なあげく(マジむかついたしw)
「この感情もきっと一時的なものだ」と思うワケで。
だからこそここで重要なのはそんな超面倒くさい男である
吉田個人の述懐なんかでなく、回りがそんな吉田のことを
どう見ているかなんデスよね。
一颯には「あなた、本当は沙優に惚れてるでしょう」と言われ、
三島からは「その感情は恋愛と紙一重のところまで来ている」と
評され、橋本からも「それに気付いているはずなのにギリギリ
までつとめてそれに気付かないようにしてる」と批判される。
そして何よりの証拠は結局後藤さんとの関係が二年たっても
恋人同士になれていないこと。そんなのあり得ないですから。
だったら答えは一つ、後藤さんは吉田の心の中に変わらず
沙優がいることを見抜いているからとしか考えられない。
つまり、一人称では「恋愛感情は無い」と言い続ける吉田は
自分の気持ちにウソをついている、もしくは橋本が言うように
「気付かないように」している。でもそんなのは側からみたら
誰でも分かるぐらいバレバレなんだと。
でも小説ならそれでいけるかも知れませんが、アニメの場合は
そういうわけにはいきません。表情に出るし、態度にも出る。
更に言うなら声優さんの演技にもそれが現れる。
空港での沙優の告白シーンからの二人のやり取りなんか
原作とアニメじゃ全然受ける印象違いますもんね。
基本的に第三者からの視点でしか描けないアニメにおいては、
視聴者からも吉田が沙優に恋愛感情を持っていることが
はっきり分かっちゃうので、だから逆にそういうラストに
ならなかったら「何で?」という違和感しか残らないかなと。
まぁこれはあくまでもボクの勝手な仮説にすぎなのデスが、
でもこう考えることでアニメ版があの場面をオチにした
理由がすんなりと受け止められるような気がするのデス。
「恋愛もの」としてはアレが最良の大団円なのデスから……
でも恋愛エンドじゃない原作はそこがラストにはならない。
それについてはあくまでネタですませて「ただいま」という
これから始まる新たな物語を予感させる形で終わるんだと
思うんデスよね。まだまだ今の二人ではそういう関係には
なれないのデス。主に吉田のせいでな!(苦笑)
とはいえ、別に心配はしていません。なぜなら沙優ちゃんは
強くなったから。逃げた末ではなく、今度は自分の意志で
自分にとって一番大切なものをつかむために帰ってきた。
吉田はそこらの辺りが絶望的に分かっていないのデスが、
それは沙優にとっては「過去」に縛られる「呪い」じゃなく、
どうしても手に入れたい「未来」そのものなんデスよね。
だからこれ以上自分が側にいるのは沙優にとって良くないと
勝手に思い込んで連絡を絶っていた吉田の行動はそりゃもう
独りよがりもいいトコで、ああもうホント吉田嫌い!
沙優ちゃん、ホントよく2年間もがんばったよ!(;´д⊂)
ぶっちゃけ吉田なんかに沙優ちゃんはもったいないわ!w
告白に対し吉田にむっちゃ心ない対応をされながらも
涙を浮かべながらもめげない沙優の絵大好き。
アニメでは解釈を変えて描かなかったけど、この後
車の中で顔をぐしゃぐしゃにして泣く沙優も……
まぁでもだからこそ、今度は沙優ちゃんが吉田を拾ってあげる番
じゃないかと思うんデスよね。もう沙優ちゃんしかこんなヤツの
面倒を見てはあげられないデスよ。ということで第二部は、
「大人になる。そしてダメリーマンを拾う。」デスね!w
それに三島はすでに撃沈されてるみたいだし、後藤さんは
多分勝手に身を引くだろうし、ライバルも不在なわけで!
ということで、やっぱ沙優ENDは不可避デスね。お幸せに!!
意外とあさみが伏兵だったりするかもしれませんが……w
……と、我ながら久々にネタ抜きの真面目な考察記事などを
書いてしまったわけデスが、語ってしまいたくなる魅力が
この作品にはあったということデスよ!この3ヶ月間、
ガッツリはまれて幸せデシた。時に辛かったケドな!w
でもまだ「最後じゃないよ…」なわけで、この後は漫画版も
追いかけていくつもりだし、プロトタイプ的な「カクヨム」
掲載版も読むつもり。どんな風に違うのかそれぞれ楽しみ!
そしてもちろん--
(あ、ウチの読者さんなら薄々分かると思うケド、ここまで
真面目に読んできた人は続きは読まないでおくべき!(笑))
どんな薄い本が出るのかとっても楽しみデス!(Ф∀Ф)
これはFFⅦのティファですが内容の参考までに…w
いやすでにPixivでは色々そういうのがUPされてるケド、
やっぱ『ひげひろ』エピソードゼロ的な内容は
ぜひ読んでみたいなと☆(笑)いや沙優ちゃん大好きで
その幸せを心から願う気持ちに揺るぎはないデスが、
それはそれ、これはこれということで!(笑)
そうデスね、沙優を泊めた男たちの中に金持ちの中年がいて、
しばらく沙優はその男の愛人のような存在になるのデスが
(ネックレスや黒下着など高価なものを買ってくれたのはこの人)
実はその男の正体は沙優の父親で、でもお互いにそのことは
知らず--なんて話があるととてもエロ…もとい(笑)
とってもエモいデスよね!w 誰か描いてくんないかなぁ!!
……って、え? 今回はせっかくの真面目な考察だったのに
また最後でぶち壊しだって??だから~照れ隠しだよ!w
PS
あとは、もしあの時吉田と出会わなければ……というif物とか!
いや一颯兄さんは「たとえば、強盗や、ドラッグ使用などの
犯罪に手を出していたら」とかトンチンカンな感想を漏らして
ましたが、こんな可愛いJKが転落していく先とか、そんなの
裏風俗か裏AV堕ち一択に決まってるじゃんか!(苦笑)
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
※付記(9/29)
ということで『ひげひろ』エピソードゼロ的なのが
出始めたのでさっそく取り上げていマス!(笑)
いやぁよい原作の補完になるなぁ♪(;゚∀゚)=3←最低w
アニメ『ひげひろ』の円盤最終巻が届くまでの間のお楽しみに、沙優ちゃんの「前日譚」を描いた同人漫画を読みマシた!(笑): 「あそコロ♪」新館! (cocolog-nifty.com)
★付記2(10/8)
そして第二弾(笑)こちらは「もしも吉田が普通の男だったら」な
「ifストーリー」として楽しめますよ!ただしア〇顔注意!w
アニメ『ひげひろ』の円盤最終巻が届いた記念に、沙優ちゃんと吉田の「ifストーリー」を描いた同人作品を読みマシた!(笑): 「あそコロ♪」新館! (cocolog-nifty.com)
★付記3(2022.7.7)
一周年記念に第三弾(笑)「エピソードゼロ」の一つとして
コスプレ好きの家主に拾われちゃた沙優ちゃんの運命やいかに!?
アニメ『ひげひろ』1周年の記念に、またもや沙優ちゃんの「前日譚」を描いたこんな同人作品を読みマシた!(笑): 「あそコロ♪」新館! (cocolog-nifty.com)
★付記3(2023.12.24)
なお、外伝の中で描かれた沙優と吉田の「原作」での
関係の結末については、こちらの記事でどうぞ!
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